「手のひらを、一本の線がまっすぐ横切っているんです」
「これって、ますかけ線ですか?」

手相の動画を出すと、とくに質問が多いのがこの線です。ますかけ線は、感情線と知能線が1本につながって、手のひらを端から端まで横切っている線。手相の中でも、めずらしい線のひとつとして知られています。

この記事では、ますかけ線の見分け方、「天下取りの相」と呼ばれる理由、片手だけ・両手にある場合、変形ますかけ線まで、JFTA認定手相鑑定士けんがやさしく解説します。最初にお伝えすると、ますかけ線は「あれば成功が約束される線」ではありません。そして、ない人が大多数です。ない方も、どうか安心して読み進めてください。

ますかけ線とは?見分け方

ふつう、手のひらには感情線と知能線という2本の線が、別々にあります。感情線は小指の下あたりから人差し指の方向へ伸びる線、知能線は親指と人差し指のあいだあたりから手のひらの中央へ伸びる線です。それぞれの詳しい見方は感情線の見方知能線(頭脳線)の見方でお話ししています。

この2本が1本につながって、手のひらを端から端まで横一直線に横切っている——それが、ますかけ線です。「百握り(ますかけ)」という名前のとおり、手のひらを一本の線がぐっと握るように走ります。

見分け方は、次の3つを順に確認してみてください。

  • 手のひらに、横に走る太い線が「1本だけ」か(感情線と知能線が別々に見えるなら、ますかけ線ではありません)
  • その1本が、手のひらの端から端まで届いているか(途中で終わる線は、長い知能線などの場合があります)
  • 左右どちらの手にあるか(片手だけの人も、両手の人もいます)

ますかけ線は、どのくらいめずらしい?

ますかけ線は、手相の中でもめずらしい線とされています。はっきりした統計があるわけではありませんが、鑑定の現場でも出会う機会は多くありません。「家族の中で自分だけあった」「初めて意味を知った」という声もよくいただきます。

また、片手だけにある人のほうが多く、両手そろってある人はさらにまれと言われます。手相では、左右の手で見方を分ける考え方があります。左右の違いについては手相は右手と左手どっちで見る?で詳しくお話ししていますので、片手だけの方はあわせてどうぞ。

「天下取りの相」と呼ばれる理由と、本当の見方

ますかけ線は、昔から「天下取りの相」という呼び名で知られてきました。徳川家康がこの線を持っていたと伝えられる逸話から、そう呼ばれるようになったと言われています(※諸説あります)。

ここで、大事なことをはっきりお伝えします。ますかけ線は、成功や強運を約束する線ではありません。「あれば天下が取れる」「持っているだけで運が強い」といった読み方は、手相を結果の占いにしてしまう見方で、当店ではおすすめしていません。

手相では、ますかけ線を「ひとつのことに腹が決まると、とことん突き詰められる」という集中力・粘り強さの気質を映す線として見ます。興味のあることには驚くほど深く打ち込める。そのぶん、興味の持てないことには気持ちが向きにくい——そんなオンとオフの振り幅の大きさが、この線の持ち主らしさです。歴史上の人物の逸話も、「結果」ではなく「打ち込む力」の話として受け取るのが、ちょうどいい距離感だと思います。

ますかけ線の出方でみる気質・傾向

同じますかけ線でも、出方によって見方が少し変わります。どれも優劣ではなく、その人らしさのヒントとして見てください。

はっきり1本につながる集中型の気質がわかりやすく出ているタイプとして見ます。打ち込めるものが見つかったときの粘り強さが持ち味です。
片手だけにあるますかけ線の人の中では、いちばん多い出方です。左右どちらの手かによって、生まれ持った気質か、いまの自分のあらわれかを読み分けることがあります。
両手にあるさらにまれな出方と言われます。集中型の気質が、その人の軸としてしっかりある状態として見ることがあります。
変形ますかけ(支線でつながる)感情線と知能線が細い支線で橋のようにつながり、全体として1本に見えるタイプ。完全な1本でなくても、近い気質として見ることがあります。

変形ますかけ線について——「これってますかけ?」に迷ったら

実は、コメントでいちばん多いのが「自分の線がますかけかどうか、わからない」という質問です。

感情線と知能線が完全に1本になっているのではなく、2本のあいだを細い線が橋のようにつないでいて、全体としては1本に見える——このタイプは「変形ますかけ線」と呼ばれることがあります。変形ますかけも、ますかけ線に近い集中型の気質として見ることがあります。

手のひらの線は人それぞれで、教科書どおりの形ばかりではありません。「1本に見えるかどうか」で思い悩むより、自分の手をじっくり眺めるきっかけくらいの気持ちで見てもらえたらと思います。

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ますかけ線が「ない」人へ

ここまで読んで、「私にはなかった……」とがっかりした方がいたら、それはまったく必要のないがっかりです。ますかけ線がないのは、ごくふつうのこと。むしろ、ない人が大多数です。

感情線と知能線が別々にあるということは、手相では「気持ち」と「考え」を、それぞれ場面に合わせて使い分けられるバランスのあらわれとして見ます。ますかけ線の集中型に対して、こちらは切り替え上手な柔軟型。どちらが良い・悪いという話ではありません。

手のひらの線は、暮らしや気持ちの変化に合わせて少しずつ変わっていくものでもあります。線との付き合い方は手相は変わる?線が濃くなる・薄くなる時期と意味でお話ししています。

女性のますかけ線について

古い手相の本には、「女性のますかけ線は気が強すぎる」といった書かれ方をしているものもあります。ですが、当店ではそうした決めつけの読み方はしません

集中力や粘り強さという気質に、性別は関係ありません。仕事に、家庭に、趣味に——「これ」と決めたことに深く打ち込める力は、どんな人生のどんな場面でも、その人の持ち味になります。40代からご自身の手相をゆっくり見つめ直したい方は、40代以降の女性のための手相完全ガイドもあわせてどうぞ。

動画コメントで多かった質問

ますかけ線があると、成功するって本当ですか?

「天下取りの相」という呼び名は昔からの伝承で、諸説あります。成功を約束する線ではなく、腹が決まるととことん打ち込める集中力の気質を映す線として見ます。

片手だけにあります。両手じゃないと意味がないですか?

そんなことはありません。片手だけの人のほうが多い出方です。左右で見方を分ける考え方もあり、どちらにあっても優劣はありません。

1本に見えるけど、途中でつながっているだけかもしれません。

支線で橋のようにつながって1本に見えるタイプは、変形ますかけ線と呼ばれることがあります。完全な1本でなくても、近い気質として見ることがあります。

子どもの手にありました。何か気をつけることはありますか?

特別に心配することは何もありません。興味のあることに深く打ち込みやすい気質のヒントとして、好きなことをのびのび続けられる環境をつくってあげるくらいの、やさしい受け取り方で十分です。

まとめ

ますかけ線は、感情線と知能線が1本につながって手のひらを横切る、めずらしい線です。

「天下取りの相」という呼び名で有名ですが、成功や強運を約束する線ではありません。「腹が決まると、とことん突き詰められる」という集中力の気質を映す線として、やさしく見るのがおすすめです。片手だけの人も、変形ますかけの人も、そして、ない人も——手のひらの線は、優劣を競うものではなく、自分らしさを知るためのヒントです。

手相は1本の線だけで決めるものではありません。ますかけ線に加えて、手のひら全体をあわせて見ることで、あなたらしい歩み方が見えてきます。まずはご自身の手を、ゆっくり眺めてみてください。

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